ORIGIN

ファイヤーサイドの原点となるスコット・ニーリングの暮らし by ポール・キャスナー

「ゆっくりと急ごう」

今から28年ほど昔、私は南信州の山奥で暮らし、ほぼ自給自足の生活を実践していました。そんな折、メイン州の辺鄙な海岸で暮らす年老いた夫婦、スコット・ニーリングとヘレンから私は多くを学びました。ふたりの生活は、現代の暮らしとは異なる経済、すなわち、物を中心としたクレジットのない暮らし方を探求していたのです。ふたりは自分たちの食べ物を育て、自身の燃料である薪を切り、そして石の家を建てて暮らしていました。
私がスコットを訪ねたとき、彼はもう98歳という高齢にもかかわらず、手作りの家を暖めるために薪を切っていました。家には2台の薪ストーブがありましたが、彼らはチェーンソーを使った急いだ薪作りではなく、シンプルなボウソー(弓状のノコギリ)と斧で毎朝数本の丸太を切り、割っていました。そして、数週間それを続ければ大きな薪の山ができることを彼は教えてくれたのです。
スコットは、研ぎすまされた斧の刃にオイルを塗り、完璧なまでに手入れをした素晴らしい道具を見せてくれました。そのうちの幾つかは彼の祖父から受け継いだもので150年も昔の物でしたが、スコットはそれらの道具を使って冬の準備を少しずつしていました。
そんな一見ゆっくりとした、しかしながら季節を味わいながらの忙しい日常生活、物を大切にする考え方を実際に見聞きし、彼らが残した本を読み、私は感銘を受けました。それから約7年後、彼らのような心豊かな暮らしを少しでも広めたくて、ファイヤーサイドを設立したのです。

長寿なものこそ本当の価値がある
「よい道具の経済学」

日々の暮らしはとても便利。ですが、なんと多くの物が消費されては、たちまちゴミとなっていくことだろうか。安価という魅力だけですぐに使えなくなってしまうものは、本当に価値あることなのでしょうか。私は、長寿な物にこそ価値があるのではないだろうか、と考えます。なぜなら、私たちがそれを使い終えても、誰かがまたその価値を受け継ぐからです。
よい道具を使うことの楽しみと歓び、使い勝手のよさとその性能、そして、それがどんな素材から作られているかということに、本当の価値があるのだと私は信じています。ファイヤーサイドの製品のほとんどは、堅牢な自然素材である鉄と木と、それから皮革から作られていることを知っていただきたい。
トップローディングのストーブに給薪するとき、鉄の鍋で美味しい食事を調理するとき、またバランスのいい斧で薪を作るとき…。私たちの製品がいかに使い勝手に優れているか、廃棄物とならない商品=環境に配慮した商品であるかがお分かりいただけると思います。

HOME ECOLOGY

自分たちのために自分の手で…「薪ストーブとホームエコロジー」

私たちの未来のために決断すべき
エネルギーの選択

火の発見が寒さと暗さを克服して以来、揺らめく焔は私たちに暖かさと安心をもたらしてきました。その後、新しい燃料と科学技術が人類の生活水準を劇的に発展させ、豊かな暮らしが生まれました。
しかし現在、科学の発達が未来の危機を作り出し、限りある資源の使い方に対して、エネルギーの未来図を描き直さなければならなくなっています。
薪ストーブに一本の薪をくべる時も、石油ストーブに給油する時も、電気暖房装置を使う場合にも、日々消費しているエネルギーは私たちを暖めてくれている以上に、人類の未来に影響を及ぼしている、ということを理解しなけばなりません。
これから決断しなければならないエネルギーの選択は、私たちの未来にとって極めて重要なことです。利用するストーブを選択し、暖房とクッキングの機能を“自らのために自らの手で”自分のものとすること。それは、エネルギー的にも資源的にもより環境保全の手助けとなるはずです。薪ストーブのあるライフスタイルは、今ある生活の質を犠牲にするどころか、それ以上の生活の向上をもたらすことを約束します。

新たな二酸化炭素を生み出さない
薪の暖房

薪ストーブは二酸化炭素の排出に影響していません。なぜなら、薪ストーブから排出される二酸化炭素は、木々が生長する過程で大気から吸収した二酸化炭素の量より1グラムたりとも多くはないからです。これは、薪を燃やしても新たな二酸化炭素(CO2)を生み出さないということになります。
薪を焚くことには多くの利点があります。限りある化石燃料を温存することに寄与しますし、エネルギーの自給率を高めます。そして、家計も助けてくれます。
しかし、これらの利益を授かるためには薪をよりクリーンに、より効率的に焚くという環境的な責任を果たすべきでしょう。そうすることで、クリーンな排煙を達成することができ、煙道がクレオソートのススから守られます。その上、薪の消費を最小限に抑制しながら、無駄のない暖房をなすことができます。

樹木がもたらす数々の素晴らしき恩恵

一本の樹木は、なんと多くの豊かさを私たちにもたらしてくれることでしょうか。木々は、大気を浄化し水資源を保全し、私たちが暮らすための快適な気候環境を整えてくれるばかりではなく、野生生物にねぐらを提供します。また、落葉樹の葉は夏の燦然とした太陽光線を遮り、木陰に佇めば涼しく、風雨の影響を和らげ、葉を落とした冬の樹木は、優しい冬の陽射しを投げかけてくれます。
木々の葉は大気から二酸化炭素を吸収し、自らのための炭素を光合成によって形成します。木々を育むということは、人工的ではないより豊かな自然環境を取り戻すことにつながるのです。
木々は素晴らしい! 木々は花を咲かせ、秋には葉をゴールドに染める。木々はフルーツやナッツを残し、家や家具のための材木をも提供してくれます。そしてもちろん、暖房とクッキングのための持続可能な燃料の恵みを私たちにもたらしてくれるのです。

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