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第一回 「ブナの巨木を見に行く」 平成17年 ある夏の日ある夏の日、会社の近所にある山の店のおじさんから「ここからたった数キロのところにブナの巨木があるんだ。」と教えられ、心が疼く。 ブナの木は標高の比較的高い水源の豊かな場所に生える木で「緑のダム」と呼ばれている。街中や日当たりの良いところではおそらくお目にかかれない。薪としてもほとんど使用されることのない木だ。そんな木が近くで見られるのなら是非行ってみたいと思った。
ブナは高度成長期に植林が盛んだったころ、材にならない木として多くを切られ、替わって杉やヒノキが植えられた。そのためブナの原生林が見られる場所は限られている、世界遺産にも登録されている東北地方の白神山地が有名だ。
天気予報を見ると、ここ3・4日は曇りか雨マーク。どうやら台風が近づいているらしい。 予報と勘を頼りに日にちを決め、朝8時に会社を出発。2kmほど行ったところの登山口の駐車場に車を止め、ザックを背負っていざ出発! 標高約900m。しばらくは舗装された快適な道を昇り進む。駐車場から上の道は一般の車が入って来ず、ロープウェー乗り場までをバスが往復するのみなので、自動車の通行量は極めて少なく快適だ。心配していた天気も思いのほか良く、雨具は必要なさそう。途中クルミの実を拾いながら20分ほど登っていくと「地蔵平」という場所に着く。ここから右に折れ林道を進む。 途中、昼なのに暗いヒノキ林やミズナラの木々を見ながらひたすら登る。そんなにきついのぼり坂でもないのに息が弾む。普段の運動不足がここにきて現れた。30分ほどすると分岐が現れる。メインルートは直進だが、右側の道の向こうに開けた景色が見られるので行ってみる。 そこには電力会社の巨大な放水管が麓まで続き、遠方には大沼池をはじめ伊那谷の景色を一望でき風がとても気持ちいい。ここで少し休憩をとることにする。
元のルートに戻り唐松林の中を15分ほど進むと、目の前に「デンッ」と構えた存在感のある木が見えた。
それが我々の目指していたブナの巨木だ。標高約1200m。胴回りはゆうに6mを超えている堂々たる木だ。根元の部分は長年の歴史を物語るかのように空洞化がおきており、小動物の巣になっているようだ。
たしかにこのあたりはブナが好みそうな場所で湿度が高く、大地がたくさん水を含んでいるような感じを受けた。 すぐ上には胸高直径80cm程の天然唐松も生えている。唐松が植林される前はさぞ豊かな原生林であったに違いない。しばらく先へ進んでみたがやがて道はなくなり元来た道を引き返し帰路についた。 このルートは電力会社が定期的の草刈をしているようで、草が生い茂っていることも無く歩きやすい。適度にいい汗もかける。興味のある方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか? |
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