田園生活の夢と孤独
田渕義雄のラストメッセージ
「人は何かを無心に為しているときは誰でも孤独だ。
孤独でいるときが、人は人らしく、いちばん輝いている。
そしてその孤独を楽しむことが出来る者こそが、良い仕事をなす。」
(本書「家と庭と薪ストーブ」より)

八ヶ岳に程近い金峰山北麓、標高1400メートルの山里に居を移し28年目。本エッセイはその28年目の1月から始まり、亡くなるまでの13年間の自給自足的田園生活の記録を記しています。
薪ストーブを中心に、園芸家、養蜂家、そして家具制作者としての日々の生活の中で、フライフィッシングや登山、キャンプなどアウトドアの楽しみもこなすライフスタイルの記録が言葉になり、メッセージが紡がれました。
ブログから単行本へ

本書は、ファイヤーサイドのウェブマガジン「森からの便り」にて、2007年から2019年まで13年に渡り連載されたエッセイ、田渕義雄「きみがいなければ生きていけない」全94篇の中から47篇を抜粋、未公開写真を加え、再編集した単行本です。
2020年1月掲載予定の原稿を準備していた一月三十日に、田渕氏は永眠されました。

掲載中の人気もコンスタントに高いものでしたが、他界後に寄せられた読者からの追悼コメントの多くは、「田渕さんが残してくれた言葉の数々は私たちに勇気を与え進むべき道を示してくれるはずです」という気持ちを綴ったものが多く、そしてそれは、「本連載の書籍化を!」と望む声でした。この読者の声に推され、単行本の出版が実現しました。
薪ストーブと椅子作りと菜園を愛した田園生活の、 夢と孤独と意義を、静かに力強く書き記した47篇

今から44年前、1977年に発売された「アウトドアライフ入門」により、田渕義雄は日本のアウトドアブームの草分け的存在となりました。「フライフィッシング教書」「バックパッキング教書」は、現在も重版を重ねる名著として読み継がれています。
コロナ禍を経験して、何かと生きづらさが加速する昨今。自然との関わりに芯を置いた田渕氏の暮らし方、生き方は、私たちに今を生きるヒントを与えてくれるはずです。
本書は、公式オンラインストアの他、以下の店舗とオンラインストアで販売しています