料理家・栗原心平さん × ファイヤーボウル
薪火料理の魅力は「香り」にある──。栗原さんが繰り出すファイヤーボウルクッキングは、
薪から立ちのぼる香りや、鉄板に食材が触れる音まで楽しむ、五感で味わう料理体験です。
今回、ファイヤーボウルのために考案したレシピ3品は、火と鉄の力を活かして
野菜、魚介、肉、それぞれの美味しさを引き出すメニュー。鉄板で仕上げるソース使いもポイントです。
作ってみたくなる、そして食べずにはいられない「吸引力を持った一皿」たちを、
薪火の扱い方や火加減のコツと一緒にご紹介します。
ファイヤーボウルとは?
焚き火を楽しみながら、本格的な鉄板調理ができるウッドグリルシステムです。6面から構成されるグリルは、厚さ約1cmの極厚仕様。食材に熱を均一に伝えて料理を美味しく仕上げます。
周囲にカウンターを合わせることで、調理から食事までがその場で完結。「薪火ダイニング」として、火を囲みながらお食事できます。
高さはLow、Middle、Highの3種類。今回、栗原さんが使用したのはお料理がしやすい高さのHighモデルです。
グリルの余熱と温度コントロール
強火、弱火は熾(おき)が仕事をする
ボウルの中の熾を動かすことで、料理に合わせた温度管理がしやすくなります。
片側では常に薪を燃やしながら、調理する面の下へ熾を移動させると温度が調整できます。
薪や熾の量を増やせば強火、減らせば中火、さらに減らせば弱火に。
火力の変化がグリルの温度に反映されるまでの目安は「約3分」です。
プロの技、拝見。
【温度】
少量の水を落とし、蒸発する速度で鉄板の温度を見極める!
【掃除】
汚れは熱いうちに少量の水をかけ、ヘラでこすると落ちやすい。
鉄板を育てよう!
調理を重ねて油をなじませることで、鉄板は少しずつ理想の状態へ育っていきます。 シーズニングが進み、黒く美しい艶をまとった鉄板は使い込むほどに風合いを増し、愛着も深まります。
そんな変化を楽しめるのも、ファイヤーボウルの魅力です。
Recipe 01「グリル野菜 ─卵とチーズのソース─」
野菜の旨みを引き立てる
コクありソースで旬を味わう!
前菜としておすすめの、野菜が主役の一品。
極厚の鉄板でじっくり火を通した野菜は甘味がマシマシ。スモーキーな薪の香りも調味料です。
合わせるのはオランデーズソースをアレンジした卵ソース。爽やかなレモンの風味に、チーズが加わることで濃厚な味わいに。
片栗粉が全体をまとめてディップしやすくしています。野菜の種類はお好みで。旬の恵みを薪火で楽しみましょう。
材料 (2人分)
・ナス …2本
・ズッキーニ …2本
・ブロッコリー …150g
・オリーブ油 … 大さじ4
【卵とチーズのソース】
・バター …20g
・パルミジャーノチーズ …10g
(A)
・卵黄 …2個分
・レモン果汁 …大さじ1/2
・片栗粉 …小さじ1/3
・塩 …小さじ1/4
・黒こしょう …適量
・水 …大さじ2
──作り方
ナスは縦半分に切り、皮目に浅い切れ目を入れる。ズッキーニは縦半分に切る。ブロッコリーは小房に分ける。
鉄板でオリーブ油を熱し、切った面を下にして中弱火でじっくりと焼く。こんがりと焼き色がついたら返し、両面を焼く。
野菜を焼く間にソースをつくる。シェラカップの中で(A)を混ぜ合わせておく。別のシェラカップにバターを入れて溶かし、パルミジャーノチーズを削り入れる。両方を合わて弱火の鉄板の上に置く。絶えず混ぜながら加熱し、とろみがついたら鉄板から下ろす。
焼いた野菜を器に盛り、ソースにつけていただく。
──調理のポイント
Recipe 02「薪火グリルのベイクドトマトソース」
トリもブタもいっせーのーせ!
懐深きソースが肉党を唸らせる
青空、薪火、極厚グリル、こうきたら肉料理が食べたくなるのが人のさが。トリもブタも一度にいただく、満足感のある一皿です。
約1センチ厚の鉄板は熱の伝わりがやわらかく、肉汁を保ったままジューシーに焼き上げます。
半分に切ったトマトをそのまま鉄板へONして作るソースは、叩いて煮詰めるヘラ使いも見せどころ。包容力のあるソースがお肉の味を引き立てます。
材料 (2人分)写真は4人分
・豚肩ロース肉(とんかつ用)…1枚(200g)
・塩 …小さじ1/4
・黒こしょう …適量
・鶏もも肉 …1枚(300g)
・塩 …小さじ1/3
・黒こしょう …適量
【ベイクドトマトソース】
・トマト …大1個(250g)
・オリーブ油 …大さじ1/2
(A)
・にんにく(みじん切り)…1片分
・ケッパー …小さじ1と1/2
・アンチョビ …10g
・バジル(みじん切り)…5g
──作り方
豚肩ロース肉は筋切りをして、塩小さじ1/4、黒こしょうを振る。鶏もも肉は身の方にのみ2cm幅くらいの切れ目を入れ、塩小さじ1/3、黒こしょうを振る。
豚肉、鶏肉を中弱火で焼いていく。焼き色がついたら返し、両面を焼く。
肉を焼いている横でソースを作る。トマトは横半分に切り、切った面を下にして中火で焼く。
やわらかくなってきたら返し、ヘラで切るようにつぶす。Aを加えて混ぜ、軽く煮詰める。
仕上げにオリーブ油を加えて混ぜる。
肉が焼けたらソースをかけていただく。
──調理のポイント
──動画でチェック
Recipe 03「焼きサーモンのオレンジソース」
フレッシュな柑橘ソースと魚介のハーモニー
鉄板の上でオレンジの果肉をつぶし、バターを溶かして仕上げるフレッシュなソースは、酸味の中に甘さが効いて、味も、作り方も、インパクト大!
ローズマリーと一緒に焼いたサーモンといただけば、爽やかな風味をまとった魚の脂が口の中でとろけます。このソースは魚介全般と好相性。サーモン以外でもお試しあれ。
材料 (2人分)
・サーモン(刺身用柵)…200g
・塩 …小さじ1/3
・黒こしょう …適量
・オリーブ油 …大さじ1
・ローズマリー …3本
【オレンジソース】
・オレンジ …1個(300g)
・砂糖 …小さじ1と1/2
・塩 …小さじ1/5
・バター …20g
オレンジ以外の柑橘類でも代用可。 今回使用した不知火(しらぬい)は甘みが強く、火を通すと華やかな味わいに。
──作り方
オレンジは皮と薄皮をむき、果肉を取り出しておく。
サーモンは半分の長さに切り、塩、黒こしょうを振る。
弱火の鉄板でオリーブ油を熱し、ローズマリーを軽く焼く。ローズマリーの上にサーモンをのせ、焼き目がついたら返し、両面を焼く。
サーモンを焼いている間にソースを作る。中火の鉄板に①のオレンジをのせ、塩、砂糖を加える。
果汁が出てきたらヘラで果肉を切るようにつぶして軽く煮詰め、仕上げにバターを加えて混ぜ、容器にとる。
サーモンが焼けたら、ローズマリーと一緒にお皿に盛り、ソースをかけていただく。
──調理のポイント
薪火料理をもっと身近に
今回ご紹介したレシピは、特別な食材を使うのではなく、ご家庭でも気軽に楽しめる内容です。
アウトドアでもキッチンでも再現しやすく、お父さんも思わず腕を振るいたくなるような、そんな料理をイメージしています。
これからも、薪火ならではのおいしさや楽しさを感じられるレシピを、季節や熱源に合わせてご紹介していきます。ぜひ、ご家庭でも薪火料理をお楽しみください。









